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イモータル 萩耿介

久しぶりに小説を読んだ気になりました。
 
ボクは、小説の醍醐味は、人の思考が表現され、それを他人のボクが理解することだと考えていますが、本書はまさに思考と現実の葛藤が描かれ、「智慧の書」を巡る歴史とそれに関わった人たちの苦悩が丁寧に描かれています。
 
思考を重ねるほど、勉強すればするほど、逆に現実から離れていくという矛盾は、人のテーマなのかもしれないと思いました。
 
一方で、思考し続けることは、ある種危険な行為に繋がることもあり、思考の方向性を見失うと、自らを破滅に追い込んでしまうと感じました。いろいろ考えずに、とにかく動いてみることが、人の精神的なバランスを保つのではないかと思いましたが、人には思考せずにはいられない人種もあり、様々な人がいて社会は成り立つのだと思いました。
 
自分を取り巻く環境がいろいろ複雑に絡み合っている、という考え方ではなく、複数の要素で成り立っている、と考えれば、問題があればその要素を突き止め、ひとつひとつ解きほぐそうとする気持ちが動くのだという表現にハッとさせられました。

 

文章量が多いのですが、 夢中で貪り読むことができました。

 

 

イモータル (中公文庫)

イモータル (中公文庫)