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不発弾 相場英雄

昔のサラリーマンは、「朝駆け」、「夜討」、「首切り」とか、自分たちを武士のように、表現していましたが、それは高度経済成長からバブル期にあたって、自分たちが時代をつくっているという思いと、司馬遼太郎吉村昭などの歴史小説から、自分らを武士になぞらえたのではないかと思います。


今の40代30代もその名残を受けている人もいるようですが、ロスジェネ世代以下は、そのような用語を使用する世代を冷ややかに見ています。


それは、ロスジェネ以下世代に熱量が少ないということではなくて、勝手に自分たちで盛り上がって、日本社会をめちゃくちゃにされたと冷めているからなのだと思います。

 

本書は、バブル期の狂気と、証券会社だけでなく一般企業も踊らされた模様が描かれています。腹立たしいのは、そのツケが20年近く経ったいまでも隠蔽され、表面化することがあるということで、日本の隠蔽体質は、団塊の世代と自分たちを武士になぞらえた世代がつくったのだということです。

ボクはロスジェネ世代ですが、今後、団塊世代から偽武士世代まで、年金で支えなければならないと考えると、腹立たしいし、古賀のようにそのような時代だったことや、自分たちがしてきたことを認識している人はまだしも、日本をめちゃくちゃにして、そのツケをこれからの若者に押し付けるのだという認識すらない人たちは救いようがない、逆に幸せな人たちなんだと思いました。

 

心が動かされる小説が面白い小説というボクの基準から言えば、十分面白かったです。

 

不発弾

不発弾